畑が無くても大丈夫!土袋+コンテナ栽培でキューピット!
メロンをプランターで栽培したいなぁ。でも、畑なんて無いし、プランターでメロンなんて難しそうやし...。プリンスメロンのようなノーネットタイプだったらダメかなぁ...。なんて、スーパーの青果コーナーでメロンを手に取りしげしげと見ているそこの貴方!
メロンのプランター栽培は無理と思っている菜園家が大半かと思います。主な理由は「メロンの栽培には面積が必要」「メロンのツルの整枝なんて難しそう」「ツルを這わせるネットを設置するのが大変そう」「そもそもメロンってプランターで栽培出来るの?」みたいなところではないでしょうか。でもね、理屈を押さえておくと結構出来るんですよ!狭小スペースで!家庭de菜園店長からのご提案、キューピットの「土袋+コンテナ」整枝栽培。1度やってみませんか?自宅でネットメロンがコロンと実っているのを想像してみて下さい。楽しいですよ?
さて、私が行っているキューピットの「土袋+コンテナ」栽培では支柱やネット等は使用しません。
では、ツルの取り回しはどうするのか?と、お思いになると思いますが、少し考え方を変えて画像のコンテナをジーッと見てみましょう。
有るじゃないですか!良いところにツルを這わせるところが!
そう!
コンテナの上辺の縁を使います。
今回使用しているコンテナは、良く量販店に行くとチューリップの球根とかを入れて販売されているアレです。(通称、黒コン)見たことがある人も多いと思います。(別に黒コンでなくても何でも良いです。)
この黒コン、寸法は縦40cm×横60cmあります。と言う事は4辺合計は2mあると言うことですね。
2mって結構な長さですよ?畝幅2mの畑を思い浮かべてみて下さい。ツル植物のメロンはツルを任意な所で曲げることの出来る植物です。縁の上に這わせていけば2m伸ばせるわけです。
でも、縁の上にどうやって這わせるの?と、お思いになると思いますが、そこは洗濯ばさみを使用して止めていけば良いのです!
100均に行けば10個入り100円で売っています。黒コンは交渉してタダで貰います。培土は20〜25Lので500円位でしょうか?
さあ、これで準備OK!簡単でコスパ最高ですね!では!栽培スタートっ!!
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メロン系の植物は雨除け栽培が基本になります。メロンは比較的空気が乾燥していて、かつ、土壌には十分な水分があるような所が原産地の植物です。従って、高温多湿で降雨の多い日本で栽培する場合、頻繁に雨に叩かれるのは好みません。1番の問題は
「葉が濡れて乾かない時間が長時間続く」
と言うのが具合が悪いです。(すぐに乾くのであれば、少々の雨がかかるぐらいは大丈夫です。原産地でも、雨ぐらいたまには降りますからね。)さらに、一度濡れたメロンの葉をじ〜っとまじまじ見て頂きたいのですが、とても乾きにくい構造になっています。
ここで、「土袋+コンテナ栽培」の機動力が威力を発揮します。天気の良い日は、日当たりが良く風通しの良い所へ置いておき、降雨の時のみ屋根下に取り込めば良いのです。正直「日当たりの良い、雨のかからない場所」って、あんまり無いんですよね。移動が簡単に出来るこの「土袋+コンテナ栽培」は、そんな栽培環境問題も解決します。
まず、培土袋をそのまま使用しますので、水抜き穴を適当に空けていきます。
今回は、約5cm間隔ぐらいで20箇所ほど穴を空けました。
培土袋をひっくり返して黒コンに入れます。上げ底にすると管理がしやすくなりますので、お好みでどうぞ。
私は、量販店で鉢花を入れて売っていたトレーを貰ってきて敷いています。無論タダで貰います。店員さん捕まえて、これ、下さい!と言えば割と簡単にくれる。
長辺の右隅(左隅でも良い)にカッターでバッテンに切り込みを入れ中に折り込みます。
そこへ、キューピットの苗を定植します。今回は自家育苗したキューピットの実生苗を栽培します。しっかりした良い根が回っていますね!
定植が終わったら、しっかりと潅水しておきます。
実生苗の育苗にチャレンジ
気になる方は上記文字↑↑↑か下画像↓↓↓をクリック! | |
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潅水はね、株元にジョウロでやっても中々染みこまないし、培土袋が全面覆っているから上からではやりにくいので、真ん中に少し切り込みを入れて、そこにジョウロかホースの先を突っ込んでやります。
画像のような感じで、ジャ〜っとやればOKです。
ps.以降、追肥が必要になった場合でも、適量に薄めた液肥を同じように、ジャ〜っとやればOKです。
さて、無事健全に活着すると、ムクリと大きくなり節々から脇芽が発生してきて、モッサリしてきます。
今回の栽培は、メロン整枝栽培の基本、1本整枝で行きますよ!キューピットは小型のノーネットメロンですので、今回は2果どりしてみますか。さて!自家製メロン2果どりを目標にレッツゴー!
メロン系の植物は、よっぽど何か無い限り、各節から脇芽が必ず出てきます。油断していると、脇芽でワサワサになり収拾がつかなくなります。
指でつまんでとれる大きさになったら、早め早めの脇芽とりを心がける。1番初めの整枝作業で双葉もとってしまいましょう。上記画像のようにスッキリさせます。
メロンの生育は早いです、誘引出来るようになったら早めにコンテナの縁に沿わせていきましょう。
無理に曲げなくても良いですよ!折れない程度に加減して洗濯ばさみで留めていきましょう。
1回目の脇芽とりと同様に、指でつまんでとれる大きさになったら、早め早めの脇芽とりを心がける。 脇芽とりは、ハサミでやっても良いのだけれど、指でやった方が早いし傷口が清潔。(指の方は汚れるけど。)ハサミって、結構いろんな物切るのに使い回すでしょ、地味に結構不潔。不測の病気なんかが移ったらイヤやし。
数日たち、また少し生育し第一コーナーにさしかかりました。メロンはスイカと違い、ツルがサクいと言いますか、あまり強く鋭角に曲げると、パキッと折れてしまいます。しかし、この「土袋+コンテナ」栽培では90度ターンして頂きたいので、ツル先がこの位置に来たときがチャンスです!画像のようにツル先が鎌首をあげている角度が、良い感じで90度ですので、これをジワリと進行方向へ倒してやります。こうするとツルを折ることなく90度ターンが簡単に出来ます。
ツル先を寝かせると、当然ツルも部分的に90度ねじれますので、葉がひっくり返る所も出てきますが、問題ありません。翌日にはひっくり返っていた葉は皆、自力で上向きに修正してきます。
さて、言っている間に親ヅルの先は、第二コーナーにさしかかりました。コーナーリングは第一と同様にジワリとやります。
そして、この第二コーナー〜第三コーナーの辺りで着果させます。今まで行っていた脇芽とりは、一旦中止します。
脇芽(結果枝)は、あんまり外向きに発生したものは、内側に誘引するのが面倒くさいので、今までの脇芽とりと同様にとってしまいます。上向き・内向きに発生したものを残しておきます。
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黄色丸で囲んだ部分に発生する脇芽(結果枝)は、とらないで下さい。果実を着果させるための枝「結果枝」として育てていきます。
さて、ここでメロン類の着果習性をおさらいしておきましょう!メロンは主ヅル(今回の栽培では親ヅル)には雌花は発生しません。必ず、主ヅルから発生する脇芽に発生します。しかもほとんどの場合、脇芽の1節目に発生します。
今まで、さんざんとってきた脇芽を見てみましょう。ほうほう、なるほど!確かに1節目に子房が付いている蕾みが発生していますね。これが雌花、メロンになる花ですね〜。
このように、メロンはスイカとは違い、この「着果習性」を頭に入れておかないと、いつまでも脇芽と供に雌花もとり続けることになり、いつまでたってもメロンを着果させることは出来ません。しかし、理屈さえ理解してしまえば何ら難しいことはありません。逆に言えば、任意の場所に着果させることが容易なため、スイカやカボチャなどよりも、よっぽど御しやすい植物です。そう、脇芽の数だけ着果のチャンスが巡ってくるのです!
さて、それでは黄色丸で囲った辺りの脇芽(結果枝)の受粉作業に入りますよ!数日にわたりボチボチ咲いていきますので、もし、天気予報で降雨の確率が高い場合は、屋根下に取り込んでおきましょう。雌しべや花粉が濡れてしまうと、人工交配をしても着果しません。
メロン栽培ビギナーの方で、雄花・雌花の違いが良く解らないと言うご質問もお受けします。上記の画像を見ると一発で解ります。大きな子房が付いているのが雌花です。
たま〜に、雄花の花弁の付け根部分が、小さくぷっくりしているのを、子房と間違えるビギナーさんがいます。あと、雄花は同じ部分から複数咲き、各節々に着生しますので、たくさん咲いているのは雄花です。
飛来昆虫に見つけて貰うのは難しいので、人工交配します。人工交配は、花粉の生きの良いAM8:00頃までに終わるよう心がける。どのような方法で行っても良いが、私は水彩画用の小筆を使うとやりやすいので愛用しています。
当日咲いた雄花を摘んで、筆先を突っ込むと、花粉がモッサリ筆先にくっついてきます。
その、モッサリ花粉の付いた筆を雌花に突っ込んで、グリッとひと回しすればOKです。
第三コーナー付近の脇芽まで交配していると、気がつけば親ヅルは第四コーナーを回りました。親ヅルのツル先を摘心しておきましょう。
第二コーナー付近から、咲いた雌花は、せっせせっせと小筆で交配を続けます。着果してや〜っ!
ほどなく、交配が上手く行った雌花はぷくりと子房が膨らんできます。
おっ、止まった止まった!着果しましたねぇ〜。何個も着果した場合は、揃った2個をチョイスして残りは除去しておきましょう。
そして、ここらで一発、液肥で喝を入れておきましょう。上記の方法で、ジョウロを土袋に突っ込んで、ジャ〜っとやっておきます。
キューピットメロンは、メロン系では珍しく収穫が近づいてくると外皮の色が黄色くなってくる(キューピットスポット)と言う分かり易いサインを出してくれるので、特段着果標識を付けなくても大体わかります。
さて、ここから早いですよ〜。ムクムク大きくなっていきます。毎朝見に行くのが楽しい時期ですね!
キューピットはカタログスペックで見ると、交配から40〜43日で完熟です。果実の大きさはこのステージ辺りで大体決まります。着果〜収穫までの、ちょうど中間ぐらいの時期ですね。
左画像で、おおザックリ交配から3週間ぐらいの果実です。外皮は緑色から白っぽくなってきました。
上記画像から、さらにザックリ2週間経ちました。じわ〜っと外皮に黄色が入ってきましたねぇ。
さてさて数日経ちまして、更に外皮の黄色味が強くなってきましたねぇ。そろそろ収穫時期ですね。
良い感じですねぇ。まず、色の濃い方を先に収穫しますよ!はいっ1個目。翌日、残りを収穫します。はいっ2個目。
無事に2個のキューピットを収穫することが出来ました。良かった良かった!
そうしたら、日陰の常温で数日追熟させましょう。より外皮の黄色味が増し、鼻を近づけると、ほわ〜んと良い匂いがしてきます。
ではではっ!いよいよ切ってみましょうか!キューピット土袋+コンテナ栽培の成績やいかにっ!
1個目、良い果肉色に仕上がっています。糖度は16.1度、まあまあですねぇ。美味しいです!
2個目、こっちも良い仕上りです。糖度は16.8度、2個目の方が少し甘いですねぇ。中々良いんじゃないでしょうか。美味しいです!
ウワサの糖度20度は残念ながら出ませんでしたが、両果実とも16upと言った所で、まあまあ良く出来たんでは無いでしょうか!
2個目のキューピットを収穫した後の草姿です。葉の色は抜けて、やや傷んではいますが、日中の直射日光を浴びても葉はパリッと上を向いているだけの草勢は維持しています。
収穫するまで、日中の直射日光を浴びても萎れない程度の草勢を維持することが、成功のカギですよ!
さて、如何だったでしょうか。「土袋+コンテナ」栽培。意外に出来るもんでしょ?キューピットは何のかんの言っても1個1kg弱程はあります。2果どりですし、ツルの重量も合わせると、今回の栽培で地上部は5kg近くあったと思います。これを支柱や行灯なんかで、上に持っていくと大変じゃないですか。支柱強度も必要ですし、風でひっくり返るかもしれない。果実も吊ってやらないといけません。
ちょっと考え方を変えて、平たく低くすれば良いのです。コンテナの縁を使えば支柱は不要、強度も十分、果実も土袋の上に置けば良い、移動も可能、コスパよろし、苗は実生でOK、後は日当たりの良い場所に置くだけです。どうでしょうか?1度やってみませんか?
そうしたら、キューピット土袋+コンテナ栽培終了です。片付けましょう!株元をハサミで切ります!(ありがとねっ!)
約3ヶ月間の栽培管理、お疲れ様でした!
そして、そのまま2〜3日ほど放置します。すると、しおれでしんなりしてきますので、洗濯ばさみを回収して、ぐるぐるっとまとめます。
ぐるぐるっとまとめたツルをコンビニ袋なんかにギュッと詰め込んで、おしまいです!
片付けのコツは、葉が乾燥してパリパリになる直前に、袋に詰め込んでしまうことです。パリパリになると、片付けの際に細かく砕けて、掃き掃除をしないといけません。良い感じでしおれ限界で片付けると、ぐるぐるっと丸めて一発で終わります!超簡単!
さて皆さん、「土袋+コンテナ栽培」いかがでしたか?成功・失敗あったと思いますが、それはそれで楽しいですよね!ゆるゆる楽しんで参りましょう!
一作終わった土袋、処分するのはもったいないですね〜。土袋のビニールは丈夫ですので、まだしっかりしていると思います。生育期間の短い秋野菜であれば、肥料を足してやればもう一作出来そうです。
「土袋+コンテナ二毛作」やってみます?季節は9月に入り、菜園の秋野菜の準備が進んでいる頃ですね。
では、1作目の終わった土袋の表面。定植した穴と、潅水に使った穴、テープで塞ぎます。ちなみに、1作目の株は抜かなくても、そのままで良いですよ。地際まで軸を切り詰めて、テープを貼ってしまいましょう。
そうしたら、1作目と同じように水抜き穴を全面にぷすぷす空けていきます。
そして、表裏をひっくり返します。雑巾でババッと拭いて、はいっ!準備完了です。
今回は、栽培しやすく使い勝手の良い「炒チャオ」レタスを栽培してみましょうか!
何株栽培しようかな?とりあえず4株いってみましょうか。
そうしたら、四隅にカッターでバッテンに切り込みを入れて中に折り込みます。
セル育苗しておいた「炒チャオ」レタスの苗をババッと定植して、はいOK!
ただし、1作しているので、土袋の中の肥料成分はほとんど残っていないハズです。追肥の必要があります。
やり方は、潅水用に1作目と同じように土袋の真ん中に切り込みを入れて、1週間に1回、8-8-8程度の化成肥料をペットボトルのフタに軽く一杯その切り込みから、ザッとやるだけです。
はいっ!収穫です。今回の「土袋+コンテナ二毛作」では、土袋への苗の定植が、9/12。収穫が10/25。大ザックリ40日ちょっと、と言った所ですね。
このサイズの炒チャオレタスが、「土袋+コンテナ二毛作」で収穫出来れば上等ですね〜。
はい〜これにて終了〜。お疲れ様でしたっ!