冬に新タマネギを食べる贅沢!玉葱セット球栽培。
(前編・セット球作成編)

知っている人は始めている!密かなブームになっている玉葱のセット栽培。

近年、全国各地で直売所が多数出店され、大小合わせると約2万店もあるようです。これらの直売所は地元の農家と直接つながっている場合も多く、大手スーパー等のチェーン店では見かけることの少ない、地方独特の野菜なども販売されており、旅行等で他府県に出かけた折は直売所は覗いてみると楽しいものです。 そんな楽しい直売所散策をしていると、真冬にツヤツヤの新タマネギが販売されている所を最近ちょいちょい見かけるようになってきました。「こんな真冬に新タマをどうやって?」と思う菜園家も多いと思います。


実はひと昔前からこの栽培方法は実践されており「セット栽培」(高冷地・冷涼地は不可)と呼ばれています。
極早生玉葱を春に栽培して小さな小球(これをセット球と呼ぶ)を栽培・貯蔵して晩夏に植え付け冬に収穫すると言う栽培方法です。


写真 お盆明け頃に園芸店や量販店の園芸コーナーに行くと「ホームタマネギ」のような名称でセット球が販売されています。しかし、この「セット球」は流通量が少なく気がつけば売り切れの場合が多く、なかなか手を出しにくい作物でした。

あっ...。売り切れてる...。


写真 売ってないなら作ればええやん!と言う事で、家庭菜園用セット球を自作してみたいと思います。

時期と品種さえ間違わなければ栽培自体は難しくありません。それでは〜っ栽培開始っ!

家庭菜園向けセット球栽培。(セット球作成・少量編)

写真 まずは播種時期、これは「3月上旬〜中旬」に播種します。品種は超極早生〜極早生の品種をチョイスするのが絶対条件です。

写真 そんな訳で今回は超極早生タマネギ「タイガージェット」を使用します。3月上旬だと、ここ「奈良県橿原市」でも夜温は一桁まで落ちるので完全露地では無理、小トンネルは最低必要やなぁ。しかし、私の菜園は猫の額ぐらいなので、たくさん作ってもどうせそんなに栽培出来るスペースは無い。50球もあれば十分でしょ、ならば小さい方の育苗箱でいけるやろ?
と、言う訳で育苗箱での栽培に決定。これなら、春野菜苗を栽培しているトンネルに滑り込ませれば、発芽は問題ないはずです。


写真 育苗箱に培土を詰めます。市販の「野菜・花の土」で十分です。しっかり四隅も鎮圧し育苗箱内の土の密度は均一にします。

表面をならして、蒔きミゾを付けます。8cm程度の間隔で良いです。

(左記画像、ちょっと狭かった...。皆さんは8〜10cm空けて下さいネ...。)


蒔きミゾにタイガージェットの種子をスジ蒔きにしていきます。


写真 播種が終わったら、覆土→鎮圧→潅水の順番で作業します。潅水後、発芽まではもう潅水したくありませんので、乾燥防止のため、新聞紙やタオル等をかけて乾燥しないようにします。

潅水と鎮圧を逆にしないようにネ。あとは育苗トンネルの空いた隙間に滑り込ませておきます。


育苗トンネル内の温度が20〜25℃ほどあれば、ザックリ1週間もあれば発芽して頭を持ち上げてきます。その間潅水は基本私は行いません。
発芽を確認したら、乾燥防止のために被覆していた物をすぐに除去します。


写真 発芽から約1週間たちました。色も濃くなり軸の太さも出てきました。暖かい日はトンネルから出して徐々に外気温に慣らしていきましょう。温度・湿度が高いままだと、ヘロヘロに徒長して使い物にならなくなってしまいます。

ここまで来たら、私はよっぽどの低温が来ない限りはもう保温しません。ただし、強風にさらすのは避けたいところです。外気がふんわり入ってくる育苗ハウスの入り口付近に置いておきます。


写真 季節は4月上旬になり、播種から丁度1ヶ月と言った所です。秋に植える通常作の時に使う苗と、同じぐらいの感じでしょうか?

特段トラブルも無く順調ですが、よく考えると肥料やってませんねぇ...。IB化成をちょっと転がしておきましょう。


写真 4月中旬になりました。更に太さが出てきました。この頃になると、日中は温度が上がり乾燥が早くなります。地植えでは無いため、過乾燥はダメージが大きいため、潅水は毎日行いましょう。

毎朝ザバッと水をかけて、会社に出勤します。その際、くれぐれもトレーに水は溜めないようにして下さいね。根腐れを起こしてしまうと今までの苦労がパーですから...。


写真 4月下旬になりました。小ネギ位の太さになりました、乾燥しますので毎朝の潅水は忘れず行いましょう。

はいはい、今日もザバッと潅水して出勤します。


月が変わり5月上旬、ゴールデンウィークです。株元の肥大が始まりました。タマネギのミニチュアを見ているようです。
ミニミニタマネギを栽培している感じです。(いや、その通りなんだけども...。)


写真 5月の中旬になりました。ムクムク大きく生育してギチギチになってきました。

アララ〜みちみちになってしまいました。やはりちょっと狭かった...。皆さんはもう少しゆとりを持ってね。


5月下旬になりました。外皮も茶色くなりすっかりミニタマネギになりました。
トラブルも無く、見た目は本当にミニミニタマネギに仕上がりました。倒伏も始まり完成とみて良いでしょう。さてここから仕上げにかかります。と言っても、しばらく潅水せず放っておくだけですが...。


潅水をやめて仕上げにかかります。6月上旬で葉の緑はほぼ無くなり、中旬になると枯れ上がりセット球生産完了です!


写真 さて、ここからは貯蔵に入ります。日の当たらない、なるべく風通しの良い、雨の当たらない日陰に、このトレーごと置いておきます。掘り上げないことで、セット球にキズが付きません。個人的には腐りが少ないように思います。


写真 お盆が明けました。イヤイヤ、暑いわ、台風来るわ、毎年何やかんや起こる昨今...。貯蔵しておいたセット球はこんな感じです。さらに枯れ枯れですねぇ。

無事に夏を越せたようです。良かった良かった!


さてさて、枯れ上がった葉を除去します。セット球も水分が抜けて、一回り小さくなりましたねぇ。じゃ、掘り上げますか。手袋を付けて、うす皮と枯れた根をパリパリ除去しながら、収穫していきます。


写真 はい〜掘り終わりました。球形や大きさはバラバラですが、まあ、こんなものでしょう。家庭菜園としては上等です。ちなみに、今回の仕上がりは約80球でした。

バラツキが多いのは、やっぱり密植が原因でしょう。次回はもう少しゆとりを持って栽培するとしましょう。ま、でも、家庭菜園なんで問題ないです。OKです。


写真 この堀たてホヤホヤの仕上がったセット球は、休眠状態にある場合が多くあります。定植して潅水すると、ある程度の休眠は打破されて芽が出てきますが、なるべく早く発根させて自前で水分を吸収し活着して欲しいので、ここは低温処理を行い休眠打破を行ってみましょう。

低温処理をして、秋の訪れを感じてもらい内部の芽や根をたたき起こして、定植後の発根や萌芽を早くするようにするわけです。


写真 セット球の皆さ〜ん!秋ですよ〜っ。秋が来ましたよ〜っ。起きてください!

低温処理と聞くと、何か難しそうですが、何と言う事はありません。タオルに包んで、タッパーに入れて、冷蔵庫(野菜室は寒すぎるのでNG)に10日ほど、放り込んでおくだけです。
タッパーのような密閉容器に入れておくと、冷蔵庫を開け閉めしたときに結露しないため、セット球へのダメージが少ないです。


写真 8月末〜9月上旬が、セット球の定植適期です。遅れないよう植え付けましょう!

後編・セット球栽培編

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