苗の定植、活着不良について考える。
さてさ〜て苗の皆さん、新天地ですよ!でも、あれ?大きくならへん、なんでなん?
春、日に日に暖かくなり、色々な野菜の苗を準備して、収穫しているイメージを膨らませながら、菜園に苗を定植していくのは楽しいひとときですね。
定植本数が多くても少なくても、何も植わっていなかった区画に緑が増えていくと、定植作業後は妙に充実感があります。(なんでやろ?)
しばらくして、定植したうち何本か「何か調子悪いなこの株は...。」みたいな事がたまにあると思います。枯れるでも無く、生育するでも無く、じーっとしたままで動かない。これがいわゆる「活着不良」と言う奴です(イヤな奴や!)。
あっちゃぁ〜やってもうた...。
私としたことが...へこむわ...(T_T)
この活着不良の原因は、色々あり複雑に絡み合っていますので、これをやれば正解、これが原因、みたいな簡単なことではありません。
が、しかし、そうも言ってられませんので思考を巡らせてみましょう。まずここで言う活着とは、「新しい環境に移された苗が、順応して根を張らせて生育を再開すること。」ですね。
では苗ですが、定植サイズまで順調に生育していると言う事は、言い換えるなら育苗ポット内の培土には活着していると言う事ですね。
その苗を新天地に移す訳ですから、当然環境はガラリと変わります。植物の根の気持ちになって考えてみると、
今までいた環境よりも心地よい環境に移されたなら「よっしゃ〜っ」みたいな感じで、すぐに活着して根を伸ばしたくなると思います。反対に居心地の悪いところに移されたら「なんやね〜ん」みたいな感じですよね。
根の活動に重要なのは主に「温度」「水分」「空気」の3つです。(何か、発芽条件と同じやな...。)圃場の地温が、定植苗の欲する地温が確保されていれば「寒い」と言うストレスは与えません。定植苗の欲する水分が確保されていれば「乾燥」と言うストレスは与えません。空気は...まあ、あるでしょう。
要はこの3つの条件が、根の活動再開までの期間、安定していればスムーズに根は活着する、と言うわけです。(大ザックリ言うと、地温15℃は欲しいところですねぇ〜。)
では、菜園の環境を安定させスムーズに活着させるには...。
1、圃場準備は早めに終わらせて、マルチを張る場合は早めに張り地温を上げておく。
定植する野菜の、根の活動地温が確保出来ていない場合でも、私が気をつけていることは、定植するときの苗ポットの地温より、圃場の地温の方が0.1℃でも良いから高くなるようにしておく事。
根の体感温度で少しでも圃場の方が暖かいと感じさせる。
地温ってどんな感じ?
気になる方は上記文字↑↑↑か下画像↓↓↓をクリック! | |
↑↑↑ ↓↓↓ |
2、適切な土壌密度に鎮圧し、温度・水分の急激な変化が起こらないようにしておく。
3、圃場の潅水は事前に十分行っておき、定植時は最低限必要な潅水を行えば、活着まで持って行けるようにする。
この2項目、3項目のキモは土壌密度です。フカフカ過ぎる土壌では安定しませんよ。畑土の鎮圧についてのお話し
気になる方は上記文字↑↑↑か下画像↓↓↓をクリック! | |
↑↑↑ ↓↓↓ |
4、定植後の急な日照りや強風で、不本意なしおれが発生しないように、不織布等で囲いをしておく。
不織布のトンネルやダイヤキャップ、グランンキャップ等、少しだけ遮光できて通気性のある資材を使うとトラブルが少ないです。
あと、昔からある肥料袋等で作る行灯は、地味に非常に有効です。
小面積の家庭菜園であれば、これで十分です!
気をつけないといけないのは、有孔ポリのキャップやペットボトルのリサイクル帽子など。晴天日は換気が追いつかない場合があり、日焼けに注意。
5、あと、私が考える定植時に行う大事なことは、「ポットの土と畑の土をしっかり密着させること。」
個人的には、この5番が隠れたキモでは無いかと思っています。経験上、植穴をあけて苗を定植後、
周りの圃場の土ごと大きく両手で「ギュッ」と左右より寄せ密着させます。
私は大体この方法でOKです。
(その昔、まだ農業駆け出しであった頃、西瓜の大先生に「苗定植したら、両側踏んどけ。」って言われて、理屈が判らずドキドキしながら作業した記憶があります!(^^;))
正直、この初期活着をしくじると、中々回復せず後々まで尾を引く場合が多く、良いことはありません。環境は千差万別ですから、菜園家の皆さんそれぞれ独自のノウハウをお持ちですので、菜園仲間と意見交換をしてみて下さい。
その話のなかで、「理にかなっている」と思う話があれば、自分スタイルにかみ砕き自身のスキルとして下さい。(でもね、それは違うやろ〜と、突っ込みたいケースも結構あるヨ)