これで貴方もプロに!? 人工交配にチャレンジ!!


写真 家庭菜園をやっていて、白菜やキャベツ等の「葉菜類」、大根や人参等の「根菜類」を栽培しているときは、特段気にもしない事ですが...。
西瓜やメロン・南瓜といった「果菜類」を栽培する場合は、いわゆる「実」を実らせるために必ず「交配」と言うプロセスを踏まないといけません。
(胡瓜のように交配せずとも果実は肥大する変な奴も一部いますけどね...。)

写真 そして、野菜達がとる交配手段は大きく2つあり、「虫媒花」と「風媒花」があります。
(中学校の理科で遙かむか〜し習ったなぁ。)

ピーマンや茄子、トマト等のナス科の多くは「虫媒・風媒どちらでもOK」の比較的、家庭菜園では手のかからない奴ら(交配と言う点ではね...。)

家庭菜園で露地栽培をしていて、わざわざピーマンや茄子を交配している人は、たぶんあまりいないと思います。(本職がビニールハウス等の施設園芸で、ガチで栽培する場合はそうもいかないが。)


写真 しかし、西瓜やメロン・南瓜といった「ウリ科」は、いわゆる「虫媒花」。家庭菜園でも本職でも、雌花に花粉が付かないと着果しません。

ミツバチをはじめ、色んな虫の皆様、頑張るのだ!

そして、さらに西瓜や南瓜等は雌花が単性花の場合が多い...。
つまり「雌花には雌しべのみ」「雄花には雄しべのみ」しかなく雄雌独立した花が咲きます。


写真 自然環境下であれば、どうあっても虫に触っていってもらわないと、着果しない訳です。

家庭菜園のスキルアップを目指して、人工交配にチャレンジ!

ウチの菜園は、周りが田んぼで畑もポツポツあり、大外には住宅地が隣接し、小さな川の土手は雑草がボウボウで、良くも悪くも、益虫も害虫も野鳥もニワトリも(最近、獣も...)そこそこ居る環境です。 しかし、近隣の農家の皆さんと話しをしていると、ここ最近の異常気象や農薬の使用により虫が活動できず、せっかく良い雌花が咲いているのに交配されず流れてしまうと言った話も良く聞きます。
これはもったいないので、ぜひ「人工交配」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?着果率がググッとアップすること、間違いなしです!

西瓜編・3Xシードレス西瓜には特に推奨!

写真 それでは、着果の成功率を上げるために「人工交配」をやってみましょう!まず、地味に重要なのが「時間」です。理想は開花直後から、午前8〜9時頃までに済ませると良いです。朝の涼しい時間の方が、花粉が新鮮で生きが良いです。

また、昼近くになると雌花が分泌している蜜により、場合によっては雌しべが蜜で濡れてしまい上手く交配出来ない場合もあります。ですので交配作業は早めに終わらせましょう。


スイカ栽培のビギナーさんと話をしていると、雄花と雌花が良く解らないという話も良く聞きます。
下記の画像を見て頂ければ一発で解ります。花の下に子房(小さなスイカ)があるのが雌花。無いのが雄花です。 どうですか?一発で分かるでしょ?この小さな子房が大きくなってスイカになります。何気にすごいですねぇ、体積は何百・何千倍にもなるんですねぇ。


もうちょっと拡大して、じっくりみましょうか。

写真 これが雄花、目をこらしてみると雄しべに粉々した花粉がたくさんついているのが解りますね。花の付け根に子房がありません。

指先でちょっと触ってみて、黄色い粉が付いたらOK、それが花粉です。


写真 こちらは雌花、花の付け根に子房(よく見るとスイカのミニチュアのような)がついているのが解りますね。

これが大きく育って立派なスイカになります。


写真 そしたら、咲きたてのピチピチした雄花を摘みます。花弁をひっくり返して雄しべを露出させます。

この時、雄しべを指先でチョンと触ってみて、花粉が出ているか確認すると良いです。


雌花の柱頭に優しくタップリ花粉を満遍なくこすり付けます。この時、雄しべを雌しべの上で、転がすようにすると上手く満遍なく付けることが出来ます。
花粉が雌しべにタップリ付いているのがわかりますね。満遍なく花粉が付くことにより均等に肥大しキレイな西瓜に仕上がります。

無事に人工交配が終わったら、忘れずに着果標識を付けましょう!

積算温度と着果標識のお話し

気になる方は上記文字↑↑↑か下画像↓↓↓をクリック!
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プロの技!本職の西瓜農家が行っている雄花の前日摘み。

写真 家庭菜園をやっていて、特にスイカやメロン等の整枝栽培を頑張ってやっていると、「良い雌花が来ているぜ!よし!明朝交配!」みたいな事が起こります。最近は、天気予報の精度が上がり、スマホやPC等で雨雲レーダー等を見ることが出来ますので、何気にみると...

「雨の確率が高い!ヤバイ!」と言うシチュエーションによく遭遇します(私だけか...?)

写真 仕方ないなぁ〜と諦められれば良いのですが、整枝栽培をやっていると 「イヤイヤ、ここでついてくれ!」 と言う場合が多いです。基本、雌花も雄花も濡れてしまうと稔性は失われてしまいます。特に花粉は濡れると即死してしまいます。そんな訳で、明日開花する雄花の蕾みを前日の夕方に摘み取って、翌朝安全に室内で開花させる裏技をご紹介します。


早朝、ニワトリと供に起床し出勤前の早朝畑仕事で、スイカの整枝作業を済ませます。明日、開花するであろう雌花を確認して「よし!明日交配」と予定を立てて会社へ出社したものの...
天気予報を見てみると「翌朝は雨」の予報。マジか〜...。
嘆いていても仕方が無いので、明日咲くであろう雄花の蕾みを摘み取ります。(帰宅が遅かったので真っ暗です。ヘッドライトを点けての夜間作業です。)
軸は長めに摘み取ると、明日の交配作業が楽です。しおれてしまわないように、濡らしたキッチンペーパーを敷いたタッパーに入れておきます。


写真 そしたらタッパーにフタをして準備OKです。

タッパーを置いておく場所は、あまり寒いところは良くないので、家の中の住人が活動している部屋に取り込んでおきましょう。室温が20〜25℃あれば良いですね。


翌朝、ニワトリと供に起床しタッパーを確認します。ちゃんと咲いてくれてるかな〜?おっ咲いています!満開です!上手いこといきました。


写真 さてさて、葯はしっかり割れて肝心の花粉は出ているかな?

ハイハイもっさり出ています。よし!花粉は確保出来ました。


写真 外の様子は〜?お!雨は降っていない!しかし深い霧が出ている...。案の定、作物はベチャベチャ、穫らなかった雄花もベチャベチャに濡れています。雌花には、昨晩袋をかけておいたので濡れていません。滴を落とさないように、そ〜っと袋を外して持ってきた雄花で交配完了!念のため、またそ〜っと袋を雌花にかけ直しミッションコンプリート!

もし、朝タッパーの中の雄花が開花していなかった場合、30℃位に暖めてやると程なく咲いてきます。軽トラのエアコンの吹き出し口に置いておくとか、布団に持ち込んで二度寝するとか、方法は色々あります。工夫してみてね。


写真 この方法は、交配の効率が良いため天候不良で無くても、本職の農家はやっておられるところがあります。 さすが本職!花の数が多い!


積算温度と着果標識のお話し

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